ドイツ語エッセー(小論文試験、作文)の書き方
俗に言うErörterungというやつ。ドイツ人は大学入学前までにしっかりと学ぶ。このサイトをメインに参考にしつつ、自分用のメモを日本語で残しておく。目的は「ドイツ人が納得する美しいドイツ語作文」。
Eröterungとは?そしてその目的は?
Erörterungはある決まった(与えられたor自分で選んだ)テーマを客観的に書く作業である。一方的でなく賛否両論のフェアなディスカッションであり、具体例を用い、最後には結論で筆者の視点を導く。
すなわち論法には「型」があり、一般的にどんな内容の作文でも利用できる。
三種類のErörterung
定型:
- 導入部
- 本文
- まとめ
1. Die lineare Erörterung
定型:
- 導入部
- テーマ、質問を読者に伝える
- 読者の関心を引き付ける。
- 質問の意味
- なぜこのテーマ(トピック)が重要なのか、読者に伝える
- 本文
- 自身の立場(Pros or Cons)を明確にする
- 軽い話題から初める
- 正当化→証拠→具体例の順で論じていく
- 徐々に核心へ向かっていく(内容が一番重い事例は本文の最後)
- 正当化→証拠→具体例の順で論じていく
- まとめ
- まとめ部分では更なるテーマの展開は行わない
- 話題のスコープと展開に関するまとめ
- 結論を導く
- テーマに沿った持論の要約
- 読者へのアピール
- テーマと結論の重要性
- 持論が通じない世界観での問題点を読者に伝える
- 結論に結びついた、テーマ(問題)への具体的解決方法
レベル:
- 小中学校レベル〜
補足:
- テーマに沿って、個人の視点から文章を展開していく、フリーディスカッション。自身の考え方がテーマと同意見であれば、肯定だけで文章を進めていくことも可。与えられたテーマから疑問点を見つけ、自分の立場をProsかConsに固定し、具体例を出しながら話を進めていく。
2. Die textgebundene Erörterung
定型:
- 導入部
- タイトルと文章が書かれた日時
- トピックの説明
- トピックに関連する一般論(史実、時系列、場所)を述べる
- 本文
- トピック(テーマ、問題点)の重要性を伝える
- テーマ→議論→証拠→具体例
- ProsとCons
- 公平に議論する
- 与えられたトピックに関し、1つ1つ述べていく
- それに対し、自分の立場を明確にする
- 正当化する材料を示す
- テーマの並べ方:重要性の低い順から始め、最後は最重要課題を述べる
- まとめ
- 要約と結論
- 持論の重要性をアピール
- トピックが今後どのように展開していくのか?
- 問題点に対し、解決法を示す
- 議論の現実性と理想とのギャップは?
レベル:
- 三種類のErörterungで一番難しい
補足:
- フリースタイルのDie lineare Erörterungとは違い、決められたパターンに沿って書き進める
- ゲーテC1の作文問題はこのタイプ(あらかじめ5つのテーマが与えられている)
- パターン(テーマ)を理解し、テーマを全て含む文章の構造を考え、その上でテーマ1つ1つを例を示しつつ議論していく
- その際ProsとConsを講じ、自分の立場を明確にする
- いきなり文章を書き始めるのではなく、文章構造を先に考える
3. Die freie bzw. dialektische Erörterung
定型:
- 導入部
- テーマ、問題を読者に示す
- テーマ、問題の重要性を説明する
- 文化的、歴史的、時事的、政治的、など
- 自分自身の経験があれば手短に紹介する
- 本文
- テーマに対してProsとConsを見極める
- 重要性の高いトピックから始める(Die lineare Erörterungとは逆)
- 証拠、例を説明しながら論議する
- トピックに関し、明確に自分のポジションを読者に伝える
- Wで分類
- wer
- wie
- was
- wieso
- welche
- warum
- まとめ
- 結論
- 「一番重要性の低いトピック」と自分のポジションとの比較
- 読者へのアピール
- もし自分の意見が無ければ、状況が悪化する可能性がある
- 悪化を防ぐ為の策を紹介
- 実際にどのようにすれば状況改善は可能なのか?
レベル:
- 難しい
補足:
- 最初にテーマに沿ったProsとConsを用意する
- ProsとConsの重要性考える
- 重要性の高い順から討論する
- 高Pros→低Pros→低Cons→高Cons
- Pros、Consを述べた後、自分の立場を表明する
- テーマの例:人間のクローンは許されるべき?
上手に書く工夫
- 導入部
- テーマ、問題点を明確に読者へ伝える
- 読み手の興味を刺激する
- その他
- タイトル
- 日時
- 本文
- 理由付けが最重要項目である、という認識を常に持つ
- 討論は3つのパートからなる
- 理由
- 証拠
- 実例
- テーマ→討論→理由→証拠→実例
- 出題者の意思を理解した上で書き始める
- 補足
- 相手に伝わる文章
- 筆者にしか解らない文章は一番評価が悪い
- 議論に使える表現を覚えておく
- Das Hauptargument, welches…
- Hierfür spricht beispielsweise…
- Einerseits…andererseits…
- Im Gegenteil dazu…
- Auf der einen Seite kann man sagen, dass…auf der anderen Seite, dass
- Ergänzend zu diesem Argument führ der Autor an, dass…
- Die Hauptthese der Argumentation ist…
- Als Beleg hierfür kann man anführen, dass
- Ein Beispiel hierfür ist, dass…
- Hiergegen spricht insbesondere das Argument, dass
- Als Beweis hierfür wird angeführt, dass…
- Die Erklärung für dieses Argument leuchtet ein, da…
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